国家安全保障は自社の収支と同じ様に関心を持とう。

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安全保障 航空自衛隊員

安全保障

 今回は固い話になるが、我々が仕事をで情報収集する際の情報源として
公的機関の情報は第一次情報とも言える信頼度だ。

マスコミで報道される情報が全てではなく、
自らが得ようと調べなければ見つけられない情報もあるものだ。

利権や利害が絡むほど、正しい情報は入りにくくなる。

その一例として国家安全保障がある。

他国との繋がりや外交関係を意識する余りに、
意識的に避けてしまう風潮があるのだ。

今回は、昨年度の航空機スクランブル発進の件数から見えてくる、
日本の安全保障について見ていきたい。

 防衛省 統合幕僚監部のサイトにて2019/4/12に「平成30年度の緊急発進実施状況について」が発表された。

一年間の航空隊の緊急発進の数とその五年間の方面ごとの
推移や 国・地域別緊急発進回数など興味深い情報が掲載されている。

平成30年度の緊急発進回数は999回であり、
前年度と比べ95回増加し、1958年に対領空侵犯措置を開始して以来、
過去2番目の多さとなりました。

推定を含め、緊急発進回数の対象国・地域別の割合は、
中国機約64%、ロシア機約34%、その他約2%でした。

「統合幕僚監部 平成30年度の緊急発進実施状況について」より引用
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2019/press_pdf/p20190412_01.pdf

米ソ冷戦期よりも多くの領空侵犯が行われているというのが驚きである。

当時は米ソ間の緊張状態であったが、現在の標的は日本列島と見て良い。

中国機に対する緊急発進回数は638回であり、
前年度と比べて138回増加しました。

平成30年度としては、Y-9情報収集機が太平洋を北東進し奄美大島沖まで飛行したことや、
Y-9哨戒機の初確認等、特異な飛行として19回公表しました。

ロシア機に対する緊急発進回数は343回であり、
前年度と比べて47回減少しました。

平成30年度としては、Tu-142哨戒機が本邦周辺を長距離飛行したことや、
Su-35戦闘機の初確認等、特異な飛行として16回公表しました。

推定を含め、中国機の中では戦闘機、ロシア機の中では
情報収集機に対して多く緊急発進を実施しました。

「統合幕僚監部 平成30年度の緊急発進実施状況について」より引用
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2019/press_pdf/p20190412_01.pdf

 中国戦闘機、ロシア情報収集機に対するスクランブルが主で、

発表された資料の「緊急発進の対象となったロシア機及び中国機の飛行パターン例」の進路を見ると、

中国機は宮古島(台湾)と沖縄を分断する動きと、

済州島南海上~対馬の北・南海上を横切り北上するルートを繰り返し行っている。

これは宮古島と沖縄を分断する意図と
太平洋へ出ようとする意図をアピールしている様に見える。

また、台湾が日米との軍事的結びつきを強める動きに対して牽制する意図もある様に伺える。

 また、ロシア機は主に日本海を飛行しているが、
驚くべきことに中国同様に宮古島と沖縄の間を抜け
日本を一周するような飛行もしている。

日本の東海岸をなぞるように
北海道から四国あたりまで飛行しているのを見ると、
東海岸の陸部の情報収集を行ったと思われる。

 これとは別に、海上でも中国海軍艦艇の動向があり、
2019/4/15(月)午後2時頃にも宮古島の北東約120kmの海域を
南東進する中国海軍ジャンカイII級フリゲート1隻を確認している。

 こうした諸国の動きは、
繰り返し行うことによる実効支配を強める意図と、
日本側がどこまで諸国の動きを察知できるか測定している意図
があると言われている。

気が付かない時間帯や海域があると、
日本の防衛上の穴を見つけることができるというわけだ。

 クリミア半島占拠の例で分かるように、
制圧を準備している側からすれば迅速に作戦行動を計画通りに遂行し、
相手方の対応するスピードを上回れば勝ちである。

そのための訓練も秘密裏に行うこともできる。

しかし、守る側からすれば、
広範な危機管理体制を準備することしかできない。

ある一つの事態に特化した守りだけしているわけにはいかない。

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また、平成30年防衛白書にあるように、諸国との兵力差も影響してくる。

現在の防衛費でも高すぎるという世論を後押しするマスコミであるが、
日本の14万人の兵数と在日米軍2.1万人の兵力で
極東ロシア8万人と中国98万人+海兵隊1.5万人を、
更には北朝鮮110万人と韓国49万人+海兵隊2.9万人を
相手にしなければならない事態も「最悪の事態」を考える上では検討が必要になる。

いや、既に防衛省と米太平洋軍との間で話し合われているはずである。

台湾が味方に加わったとしても13万人の兵力。
こうなると、人の数に物を言わせる戦いでは不利となる。

そこで必要となるのが、
初手で相手の動きを封じ込める事のできる戦術と兵器の質であり、
一機の戦闘機で複数機を楽々相手できる能力を持たせることや、
敵基地を同時に無力化した上で殲滅できる脅しの効いた兵器の保持が求められる。

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国産兵器産業の衰退

 国産兵器の開発自体が敗戦後の空気感から憚られてきてしまった為に、
国産兵器産業は活発ではない。

日本の技術力をもってすれば、
世界が驚く兵器の開発は可能であろう。

それを開発する事を国民が許すか、
その費用を国民の税金から使用することを是とするか、
また、米国の兵器を頼まずに防衛できる国となることを米国が許すか。
様々な課題はある。

それらを脱却するためには、
我々国民が現在の周辺国との関係を学び、
外交圧力における軍事力の重要性を認め、
敗戦国ではなく独立国である自負を誇りを持つことが必要なのではないだろうか。

 サラリーマンとして働いていて、
会社の収支を毎月目を通し累計でどのような経営状態であるのかチェックしていることと同じ様に、
人任せにするのではなく、
防衛白書防衛省発表に関心を持ち、
我が事として自国の国益にかなう行動を支持できるよう研鑽をすることが、
一票の権利を保持する民主国家の国民の責務であると考える次第である。

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