環境利権と炭素税 ~データで見る!炭素税は温室効果ガスの減少を促進しない~

最終更新日

日本国旗 日の丸

環境利権とは

環境問題に関する利権のこと。特に国などが環境問題対策で行う公的な事業に関する利権を指す場合が多い。
リサイクル利権、レジ袋税構想、財団法人日本環境協会のエコマークのように、環境省とその天下り先が関わっている事例が典型的である。

はてなキーワード 様より引用

日本では、環境省によって導入が検討されるであろう炭素税の前に、既に似たような目的の 「地球温暖化対策のための税」が平成24年10月1日から導入されています。

しかし、更に別の税金として炭素税を検討する考えが、財務省から出てきているようです。

今回の内閣改造によって誕生した小泉進次郎環境大臣は原発廃止を目指す方針であり、財務省の考えどおりクリーンエネルギー・エコの推進の為に、地球温暖化対策のための税が施行されているにも関わらず炭素税を新設する可能性があると見るジャーナリストもいます。

それは大臣となられた小泉環境相の判断に委ねられるのですが…。

「エコ」「省エネ」という概念により国からの助成金や収益を得ている企業や団体が存在し、そこへ役人の天下りも行われていると噂されています。

また、消費増税という逆累進課税に加え、更に既に課税済みである環境税「地球温暖化対策のための税」 にプラスする形で「炭素税」を設けるとなれば、化石燃料を使用する人々に均等に課せられるであろう逆累進課税が増え、低所得層へ負担が課せられることになります。

環境税を課税し、本当に環境が改善したのか?
データから見えた驚くべき事実

この環境税はアメリカでは導入されていません。

導入をしている主な国々をこちらで見ることができます。
図は環境税を導入している主な国とアメリカのGDP成長の比較です。

課税している諸国は環境税を導入してから高水準で経済発展をしているとは言えない国々です。
ですが、アメリカの経済発展は客観的に高水準です。
では、環境税を課税してこなかったアメリカの環境汚染は進んでいるのでしょうか。
データで見ていきましょう。

1人あたりのCO2排出量です。
アメリカの排出量が多いのは確かですが、その排出量は課税しているカナダと近いものがあります。
また、他の国ではアメリカの下降曲線に比べて下降具合は低い国すら存在しています。

CO2排出量だけ見ても、アメリカが2007年以降に下降傾向になっているにも関わらず、環境税導入の諸国のそれは導入しているにも関わらずアメリカよりも下降傾向が見られません。減少していないのです。

メタンガスで比較すると尚更顕著で、むしろアメリカはかなりのメタンガス排出を抑えています。
「環境税無し」でです。

亜酸化窒素も顕著で、アメリカは健闘しています。
他の国も努力をしていますが、「経済発展」と「温室効果ガスの排出量増加」の関連性は無いと証明できそうです。

おまけデータとして、地球上の酸素を供給しているのは海の中の藻類で、地上の、例えばアマゾン川流域の熱帯雨林ではないと言われているので、無意味なデータかもしれませんが、環境保全を主張する人々にとって森林の面積が減少していることは環境破壊になるようです。
むしろ、元々そこに存在している森林で、森林の手入れを人の手で行わなくては保水力の維持もできないのですが。
森林面積のデータがありましたのでそれも御覧ください。

なんとアメリカが増加傾向なのです。環境税を課税しているカナダは増えるどころか減少し始めています。

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環境税によって温室効果ガスの減少は促進されていない

結論として、環境税を課税することで温室効果ガスの減少は促進されていないと言えます。
ではその税金はどのような用途に使われているのでしょうか。

  • 日本 省エネ対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料クリーン化等のエネルギー起源CO2排出抑制
  • フィンランド  所得税の引下げ及び企業の雇用に係る費用の軽減
  • スウェーデン  法人税の引下げ(税収中立)
  • デンマーク  政府の財政需要に応じて支出
  • スイス  税収1/3程度は建築物改装基金、一部技術革新ファンド、残りの2/3程度は国民・企業へ還流
  • アイルランド  赤字補填(財政健全化に寄与)
  • フランス  一般会計から競争力・雇用税額控除、交通インフラ資金調達庁の一部、及び、エネルギー移行のための特別会計に充当
  • ポルトガル  所得税の引下げ(予定)•一部電気自動車購入費用の還付等に充当
  • カナダ  他税(法人税等)の減税により納税者に還付

この用途を見て、環境税は国の予算の補填や、温室効果ガスの増加を留める効果を促進するよりも、一部企業への優遇政策と天下り先確保の利権に見えて仕方がないです。

また、アメリカのように経済発展で得られた資源を技術革新へ向けることで、より温室効果ガスを抑えることができているという見方もできます。

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化石燃料との付き合い方と、ベースロード電源

火力発電所は悪であるという見方がありますが、自動車であればクリーンディーゼルの技術で公害の少ない化石燃料活用が出てきている様に、火力発電所の環境汚染も改善されており、 磯子石炭火力発電所では大気汚染物質の排出を大幅に削減し、 窒素酸化物は92%、硫黄酸化物は83%、粒子状物質は90%減となっています。

このように技術革新により、現状の発電方法を維持しつつ中国のような大気汚染を防いでいくことができるのです。

また、日本のベースロード電源として欠かせないのが原子力発電所です。

東日本大震災の福島第一原子力発電所の事故の後、日本の原子力発電所は新規制基準が設けられ

  • 原発の安全性に「絶対はない」として、不確実なリスクにも対応できるよう、安全性の向上を常に目指す姿勢を持つこと
  • 新規制基準に適合していると認められても、「より安全」であることを目指し、原発事業者は自主的な取組を継続的に行うこと

この考え方を元に再点検が行われています。

福島の事故の原因は、地震により陸路からの外部電源が喪失し、津波の浸水により所内の内部非常用発電機が喪失、破損し炉心冷却ができなくなったことでした。

そのレベルのアクシデントを阻止できるよう最低限は改善し、更にハイレベルなアクシデントにも対応できるよう改善が進められているようです。
詳しくは、こちら

しかし、設置地点が地震、津波、火山噴火、竜巻、大雨等のリスクに対処できる場所に無ければなりませんし、弾道ミサイル攻撃などのリスクも鑑みなくてはなりません。

現状、日本海沿岸諸国との関係を考えますと、再開をするにせよ太平洋側の発電所の再稼働か、危機管理上安全と思われる場所への再設置が好ましく思います。

また、核兵器に囲まれた日本を守り抜くためには、いずれ核の傘が必要になる時が来るかもしれません。

その為にも原子力発電所の存在も重要となってきます。
武田邦彦先生の試算では日本国内で現在生産可能な核兵器の数は3000発分位のウランとプルトニウムがあるそうです。

戦術核兵器、小型核兵器。いずれを配置するにせよ、日本から原子力発電所を無くしてしまうことは長期の戦略の幅を狭め国益に反することにもなると私は考えています。

自然エネルギーが安全かというのは、先日の台風で太陽光発電システムが炎上し火災を引き起こしているのを見る限り断言はできません。

どの発電システムにも強みも弱みもありますが、電力は経済発展と現代社会の生活維持に不可欠な資源なので、十分に満たされた余裕のある状態を維持することが重要です。

経済発展をしながらも、環境汚染を減らし、国力の増強を図ってきたアメリカを手本に、日本は早くデフレからの脱却を果たし、個人所得の伸び悩みや年金財源の不足を賄える位の経済発展を目指すことが社会問題解決の近道の様に思います。

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4件のフィードバック

  1. 反論ってほど立派じゃないけど、一番のリスクは携わる人のエラーと嘘だと思うのです。
    検査ミスとか検査不正とか…完璧なシステムがあってもちゃんと使えなければダメでしょ?
    最も重篤なアクシデントが発生した時どうしようもない事態を招くのが原発かなと。
    火力なら火が消えれば現場を片付けることもできるけど、原発だと被曝管理で熟練者がどんどん減るスパイラルに陥るし…

    • >エステイクさん
      コメント有難うございます。

      >検査ミスとか検査不正

      検査ミスと検査不正によって冷却装置の内部電源が消失したのではないので、直接的な原因ではないけれど、東電は厳重注意を受けていますね。

      原発を廃止すると安価な原子力発電から石炭火力発電所を中心としたベースロード電源の確保が必要となる為、電気料金を値上げすることを受け入れていくことになるでしょうね。

      >重篤なアクシデントが発生した時どうしようもない事態を招く

      私は原子力発電所の重篤なアクシデントは当然防がれるべきだと思いますし、設置場所も同様でこれまでの場所での再開が正しくない場合もあると思います。
      アクシデント後の処理によって命を削っている方々へは頭が下がりますが、原発の重篤なアクシデントよりも、より現実的な脅威である日本を取り囲む諸国の軍事挑発や核の脅威に対して日本を守るため、核武装に必要なプルトニウムと濃縮ウランの確保は必要という考えです。
      日本海を挟んだ安全保障課題は、「既に発生している課題」なので。

  2. レスありがとうございます。
    ミス
    についてですが、福島第一原発を建設する際アメリカのメーカーゼネラルエレクトリック社は40メートルの高地に建設する方針だったようです。この案はコスト面などで退けられ、結果レベル7の事故となりました。
    この点は重大な判断ミスだと思います。
    想定外を想定する努力はもちろん必要だと思いますが、限界は必ずあります。
    原子力発電所の事故で最も深刻な事態となれば、日本に人は住めないでしょう。
    原子力発電が主力電源になったのは、私の考えでは国が旗を振って推進したからだと思うのです。
    原発が日本で推進され始めた頃から自然エネルギーの開発に国が旗を振っていれば、今頃はかなり進んだ状況になっていた様に思います。
    千葉の停電も、人里離れた遠方の発電所で大量生産した電気を大型の送電設備で送るわけです。
    もし、自立型ソーラーと蓄電池があれば、エアコンを使用する部屋を限定して、そのほかも節電に努めるなどすれば、炊事洗濯など最低限の事は出来たのではと思います。
    かつてビデオカメラのバッテリーはあまり持ちませんでした。しかし、リチュウムイオンバッテリーが登場して飛躍的に長時間撮影できるようになりました。
    また、電柱による送電は火山災害に弱く、いつか訪れるであろう富士山噴火では関東地方に甚大な影響をもたらすでしょう。

    核抑止の話についてはかなり主張に隔たりもあるので難しいですが、行き場のないプルトニウムが日本にはかなりあるとの事です。
    非核三原則に反するのは言うに及ばずですが、日本が将来衛星の打ち上げに使うH2Bロケットを改良して弾道弾を作らないか心配です。
    長文失礼いたしました。

    • コメントありがとうございます。

      >40メートルの高地に建設する方針だったようです。この案はコスト面などで退けられ

      本当にコスト面だけだったのでしょうか。
      福島原子力建設所建築課長の加藤恒雄氏は1969年10月号の座談会にて、

      「一八〇ガルの地震が加わった場合に、
      その上にある比較的軟らかい上層とでは、
      地震を受けた場合の振動は、
      当然軟らかい層での方が大きく揺れますので、
      三五メートルの標高での地表ではガルは約二倍半くらいふれることになり、
      四五〇ガルの地震に相当する。
      この四五〇ガルの地震とは、当地方では経験したことの無いもので、
      従って基盤で一八〇ガルを採用すれば、十二分に安全である、という結論」

      と語られているようです。確かに設置場所自体の変更で地震の揺れの増幅リスクも浸水リスクも避けられたでしょうが、コスト面というよりも地震の揺れが標高で約二倍に膨れ上がる計算が背景にあったことも理由としてありそうです。

      >原子力発電所の事故で最も深刻な事態となれば、日本に人は住めないでしょう。
      >原子力発電が主力電源になったのは、私の考えでは国が旗を振って推進したからだと思うのです。

      原発の事故のレベルによっては、日本の広大な土地が生活不能に陥る可能性があるのは否めませんね。
      ただ、原子力発電はピークの2000年頃の発受電電力量の推移でも全体の34%程度の割合、2000年当時の国内主要ベースロード電源割合は天然ガス・石炭・石油の化石エネルギー発電が約55%です。そして、原発が停止している2016年ですと約90%が化石エネルギーです。

      >原発が日本で推進され始めた頃から自然エネルギーの開発に国が旗を振っていれば、今頃はかなり進んだ状況になっていた様に思います。

      では、ピークである2000年に原子力発電から供給された約3194億kWhを現在のソーラー発電で賄う場合にどのようになるか試算してみましょう。
      ( https://matome.naver.jp/odai/2150600281112181401 参照)

      *1MWのメガソーラーを設置するのに、およそ 20,000m2 前後の敷地が必要

      *出力1MWのメガソーラーで、年間 約100万KWh以上の発電量

      これで計算すると…

      319,464,000,000kWh = 319,464MW

      必要な敷地は

      319,464MW × 20,000m2 =6,389,280,000m2 … 約6,389km2
      6389km2 = 約群馬県位の広さ

      ZEC鉾田那珂11号太陽光発電事業、事業面積16,324m2で20年間の総事業費が3億5000万円ということは、6,389,280,000m2で約136兆9914億円程度の事業費がかかることになります。
      2019年の日本の国家予算・一般会計が101兆4564億円なので、国家予算の約1.2~3倍の経費がかかる計算となります。
      これがそのまま我々の電気量に返ってくることになりますから、月の電気料金はいかほどになるのでしょうか。
      そして、ソーラーパネルは寿命があるので交換します。
      20年や30年おきに136兆の費用が発生していきます。

      >自立型ソーラーと蓄電池があれば、エアコンを使用する部屋を限定して、そのほかも節電に努めるなどすれば、炊事洗濯など最低限の事は出来たのではと思います。

      それだけ普及すれば、家庭で電力を生産し蓄電することができれば、かなりの発電蓄電量となることでしょう。
      しかし、そのソーラーパネルと蓄電池で一件あたり数百万の費用が生じます。
      原子力発電の発受電電力量の推移でも全体の34%の電力を賄う為に、全国の家庭に群馬県ほどの広さのソーラーパネルを設置し、更に蓄電池を設置するコストは個人の所得だけでは非現実的ですし、年間の国家財政以上にもなる費用を国が補助するメリットはあるとは思えません。
      そして、仮にそれらの多くが福島にあったとして震災によって破損したソーラーパネルが多発的に複数箇所で自然発火した場合、消防が機能しない状態でどれだけ火災による死傷者が出たでしょうか。また、それによる物的人的被害総額は如何ほどになるでしょうか。

      原子力発電所の事故は発生すると後半に渡り汚染するかもしれませんが、一箇所に対して未然の対策することで最小限に留めることができる可能性がありますが、ソーラーパネルの震災時の多発的自然発火は発生場所は特定できない上、パネルのある場所であればどこまでも範囲が拡散する可能性を秘めています。

      原子力発電のリスクは既に述べられた通りですが、自然エネルギー発電も発電量の増加や依存度、設置範囲の拡大によって原子力発電同様に社会問題は発生する可能性を秘めていると考えます。

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