中国、韓国、シンガポール、メキシコは世界貿易機関(WTO)の定義する発展途上国と言えるのか

最終更新日

国連

韓国は発展途上国の特恵を今後主張せず、中国は途上国の地位を堅持

虎ノ門ニュースで参議院議員・青山繁晴氏が取り上げていたニュースで以下のような内容の物があり驚いた。

韓国政府は25日、世界貿易機関(WTO)で関税や補助金削減などで優遇措置を受けられる発展途上国としての特恵を今後、主張しないことを決めたと発表した。トランプ米大統領が7月、中国や韓国を名指しして不公平だと批判し、90日以内にWTOで進展がなければ、米国が独自に途上国扱いをやめると通告したことを受けた措置だ。
 米側が大幅な負担増を求めている在韓米軍の駐留費問題など、韓国がトランプ政権との間に難しい交渉を抱える中、別の貿易問題での対立の火種を事前に摘み取る狙いもあるようだ。
 WTOの新たな交渉が妥結するまで現在の特恵は保たれる上、交渉は長らく停滞しており、韓国政府は、直ちに影響はないと説明している。
 トランプ氏は7月下旬、ツイッターで「世界で最も豊かな国々が、WTOルールを避けて特別扱いを受けるために途上国と自称している」と批判した。名指しされたうち、シンガポールは既に途上国の地位を利用しない方針を示したが、中国は反発し、地位の堅持を主張している。
 韓国は1995年にWTOに加盟する際、発展途上国として申告したが、翌年に農業と気候変動分野以外は途上国優遇を主張しないと表明した。今回の途上国地位の返上は当面、宣言的な意味にとどまるが、農業団体は25日にも政府庁舎前でデモを行うなど反発を強め、農業保護政策の一層の拡充などを要求している。

産経新聞様より引用

韓国の洪楠基(ホンナムギ)・経済副首相は25日、世界貿易機関(WTO)のルールで、先進国との貿易の条件などで優遇措置がある「途上国」の地位を返上すると発表した。米国のトランプ大統領が7月に「不公平だ」として見直しを求めていた。
 発表によると、韓国は1995年のWTO発足時に途上国として認められ、農業分野などで優遇措置を受けていた。返上の理由について、洪氏は「(韓国経済は)すでに先進国と肩を並べられるほど発展した」とし、「これからの交渉では優遇措置を主張しない」と語った。
 トランプ氏は、7月に署名した大統領覚書で中国と韓国、メキシコ、シンガポールを名指しし、「経済大国が途上国だと主張すれば、他の先進国が打撃を受ける」などと主張していた。これらの国が対応しなければ一方的に優遇をやめるとしており、韓国は米国の意向に配慮したとみられる。

読売新聞様を引用

この様にトランプ大統領から指摘をされた中国、韓国、メキシコ、シンガポールが、データを踏まえた上で果たして発展途上国と認められるかを検証していきたい。

発展途上国の定義

開発途上国(かいはつとじょうこく)とは、経済発展や開発の水準が先進国に比べて低く、経済成長の途上にある国を指す。発展途上国(はってんとじょうこく)、または単に途上国(とじょうこく)とも言われる。一般的には、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)が作成する「援助受取国・地域リスト」(DACリスト)第I部に記載されている国や地域が該当する。

Wikipedia様より引用
外務省ホームページ 2018年版 開発協力白書 図表(Excel版) 援助受取国・地域リスト DACリストより
援助受取国・地域リスト DACリスト

外務省ホームページ 2018年版 開発協力白書 図表(Excel版) 援助受取国・地域リスト DACリストより

上のリストには韓国とシンガポールは含まれていなかった。

この中に掲載されているのが途上国というくくりである。

では次に、先進国の定義を見ていくことにする。

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先進国

先進国の定義はいくつもあるため、ここでは国際通貨基金による経済先進国の定義を使用したい。

1人あたりのGNI(購買力平価ドル)、つまり国民一人あたりの一年間の購買力で先進国をリストアップしてみる。

以下の表は、ご覧の環境によっては表示されない可能性がありますので悪しからず。

先進国の最下位がギリシャで、27820ドルとなっている。

先日通貨危機のニュースで知られたギリシャであるが、今回だけではなく何度となく発生した経緯がある。

しかし、途上国との比較をする上では、 国際通貨基金による経済先進国で最下位の数値を利用するほうが解りやすいため、基準をギリシャとしたい。

ギリシャよりもGNIやGDPが高いのに発展途上国と主張する論理は通用しないと考えられるからだ。

中国、韓国、メキシコ、シンガポールを1人あたりのGNI(購買力平価ドル) で、先進国のギリシャ、日本と比較する

上のグラフは先進国のギリシャと、発展途上国と主張していた中国、韓国、メキシコ、シンガポールの1人あたりのGNI(購買力平価ドル)を比較したものである。

環境によって表示されない可能性があるのでご注意を。

シンガポールの90570ドル(約980万円)は問題外である。
ギリシャはもとより日本よりも遥かに上である。

しかし、この数字は平均したものであるため、一部の富裕層が国内のお金を独占している場合は、とてつもない格差となる。

続いて韓国は38260ドル(約415万円)でギリシャの27820ドル(約302万円)よりも豊かなレベルである。

それでも途上国の優遇措置に甘んじてきたのだ。

メキシコは17740ドル(約192万円)、中国は16760ドル(約182万円)である。この額面上では、国民の生活レベルは低いと受け取れる。

では次に国内総生産でみていくことにしようい。

国内総生産

先進国であるギリシャが最下位という結果が出ている。

シンガポールの国内総生産の低さと1人あたりのGNIの高さは人口の少なさが理由であろう。

メキシコは自動車産業が伸びており、今後の経済発展が期待されアメリカにとっては途上国と主張することに違和感があるのかもしれない。

中国はこの中で圧倒的に高い数値を示しているが、人口が多いため一人あたりに換算した場合に1人あたりのGNIが低い値となる。

しかし、習近平国家主席は自国を自由主義経済の盟主と発言したり、過去70年で「世界を驚かせる発展を遂げ、平和発展の道を進んだ」と語る。
そして、国防費は約19兆8千億円も計上し、他アフリカや東南アジア島嶼国へ多額の投資を行っている。途上国が対外投資などできるであろうか。

それでも世界が中国に物を申せないのは、既に世界が中国に反論することが憚られる空気が出来上がっているからである。

先日の環境サミットでグレタ氏や各国代表が中国の温室効果ガスの抑制を口にしなかったのもその現れと感じる。

中国は途上国の認定がされているため、温室効果ガスの抑制目標が課せられていない。

途上国の認定が外されれば、この問題にも向き合う必要が出てくる。

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途上国という肩書を利用する国々

今回、トランプ大統領が主張しなければ、経済的に成熟した国々が、発展途上国同様の関税でおいしい思いを続けていたかもしれない。

国際社会がそれを指摘できない時点で、監査機能を果たさなくなったWTOや国連などの機関をトランプ大統領が重視しない考えを表わすのも無理もない。

国際協調路線は確かに大切であるが、欧米に関わりの薄い侵略や紛争、人権弾圧などに無関心な国際機関へ過度な期待を持つのは考えものである。

自国の主張をしっかりと行い、その外交力を下支えする経済力と軍事力が国の独立を維持する要諦と言えまいか。

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