インド、RCEPに参加せず ~対中貿易赤字による国民生活への影響を懸念~

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インド国旗

インド、RCEPに参加せず

日中韓やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国が参加する自由貿易圏構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP(アールセップ))」の首脳会合が4日夜、タイ・バンコク近郊で開かれた。

インド外務省のビジェイ・シン局長は会合後の記者会見で、「インド政府は首脳会合でRCEPに参加しない決定を伝えた」と述べ、交渉から撤退する考えを明らかにした。

中略

巨額の対中貿易赤字を抱えるインドは、関税の引き下げや撤廃に難色を示してきた。中国製品がさらに流入し、国内産業が打撃を受ける恐れがあるためだ。

中略

シン局長は会見で、「インドにとって重要な懸念が解決されていない。モディ首相は(RCEP参加による)国民生活に与える多大な影響を重視した」と語った。

朝日新聞デジタル様より引用

RCEPとは、東アジア地域包括的経済連携(Regional Comprehensive Economic Partnership)の略。

ASEAN10か国+6か国(日本,中国,韓国,オーストラリア,ニュージーランド,インド)による物品貿易,原産地規則,税関手続・貿易円滑化,衛生植物検疫措置(SPS),任意規格・強制規格・適合性評価手続(STRACAP),貿 易 救 済 , サ ー ビ ス 貿 易 , 金 融 サ ー ビ ス ,電気通信サービス,自由職業サービス,人の移動,投資,競 争 , 知 的 財 産 , 電 子 商 取 引 , 中 小 企 業 ,経済技術協力,政府調達,制度的事項,紛争解決等について交渉を行う。

市場アクセス(関税削減等)の改善により,地域の貿易・投資を促進。また,税関手続,知的財産,電子商取引等のルールを整備 。

外務省ホームページより引用

インドの現状

JETROの世界貿易投資報告によれば、インドの主要品目別輸出入<通関ベース> を見ると、

(単位:100万ドル )
輸出 324,819
輸入 514,301
収支 -189,482

貿易全体で1,894億8,200万ドルの損失を生み出してしまっていることになる。日本円で約20兆5730億円という莫大な金額である。

そして、インドの主要国・地域別輸出入<通関ベース> を見ると、

(単位:100万ドル )
対中輸出 16,495 (輸出額構成比三位)
対中輸入 73,937 (輸入額構成比一位)
収支 -57,442

この様に貿易赤字の約30%が中国との間で起きている。

比較に輸出構成比一位であるアメリカとでは、

(単位:100万ドル )
対米輸出 51,487 (輸出額構成比一位)
対米輸入 34,158 (輸入額構成比二位)
収支 17,329

173億2,900万ドルの黒字である。
これだけはっきりと差が出ると、関税削減をうたうRCEPを受け入れると、中国がインドの輸入額に応じてインドからの輸出額を拡大する確証が得られなければ、中国からの輸入が更に増え貿易赤字の額も増し、国内産業への打撃も懸念される。

この段階でRCEPから身を引いたインドの立場も理解できる。

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日本の貿易収支は

では、日本の状況はどうかというと、輸出入全体で

(単位:1000ドル )
輸出 737845678
輸入 748108538
収支 -10262860

約1兆1144億5423万円の貿易赤字を抱えている。

(単位:1000ドル )
対中輸出 143920508
対中輸入 173518360
収支 -29597852

約3兆2132億200万円の貿易赤字を抱えている。

日本は他の国との貿易で利益を得られているため、全体の貿易赤字は少なく済んでいるが、対中貿易については関税引き上げを検討しても良いレベルではないだろうか。

そうしなければ、日本の外貨は毎年中国へ流出し続けることとなる。

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